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家族信託だけで安心?認知症による口座凍結と金融対策|京都の司法書士がわかりやすく解説

2026年6月1日2026年6月10日
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はじめに

「家族信託をしておけば、認知症になっても安心ですか?」

近年、相続対策や認知症対策として「家族信託(民事信託)」が注目されています。しかし実際には、家族信託だけで全ての問題を解決できるわけではありません。

特に問題となるのが、銀行口座や証券口座などの金融資産です。

高齢化社会が進む中、金融機関では本人保護の観点から、認知症が疑われる場合に預金口座を凍結するケースが増えています。家族であっても自由に預金を引き出せるわけではなく、「医療費が払えない」「介護施設の費用が出せない」といった事態が発生することもあります。

そこで近年は、

  • 家族信託
  • 任意後見
  • 代理人カード
  • 予約型代理人制度
  • 家族サポート証券口座

など、さまざまな認知症対策が登場しています。

この記事では、認知症による財産凍結の仕組みと、近年の金融実務の変化、そして家族信託だけでは対応できないケースについて、司法書士がわかりやすく解説します。

 


なぜ認知症で口座凍結が起きるのか

認知症による口座凍結は、銀行が勝手に厳しくしているわけではありません。

背景には「意思能力」という法律上の問題があります。

民法では、意思能力のない状態で行った法律行為は無効とされています。

つまり、認知症によって判断能力が低下した状態で、

  • 預金の払い戻し
  • 投資信託の解約
  • 不動産売却
  • 契約締結

などを行うと、後から「無効」と判断される可能性があるのです。

そのため金融機関は、本人保護の観点から取引を制限します。

 


口座凍結されると何ができなくなる?

口座凍結というと「預金が全く使えなくなる」と思われがちですが、実際には次のような取引が制限されます。

口座凍結で制限される主な取引

  • ATMでの出金
  • 振込
  • 定期預金の解約
  • 投資信託の売却
  • 各種変更手続き
  • インターネットバンキング利用

さらに問題なのは、家族であっても自由に代理できないという点です。

 


家族が勝手に出金するとどうなる?

「親の介護費用だから問題ない」
「家族なんだから自由に引き出せるはず」

このように考える方は少なくありません。

しかし法律上、本人から正式な代理権を与えられていない場合、家族による出金は“無権代理”と評価される可能性があります。

金融機関側も、

  • 不法行為責任
  • 損害賠償責任

などのリスクを負うため、慎重な対応を取るようになっています。

 


成年後見制度が原則になる理由

認知症が進行した後の財産管理では、成年後見制度の利用が原則とされています。

全国銀行協会の指針でも、

  • 成年後見制度の利用促進
  • 本人保護
  • 不正防止

が重視されています。

成年後見制度を利用すると、家庭裁判所が選任した成年後見人が財産管理を行います。

成年後見制度のメリット

  • 法的に安定している
  • 金融機関対応がスムーズ
  • 不動産売却も可能

デメリット

  • 家庭裁判所への定期報告が必要
  • 原則として途中終了できない
  • 家族以外の専門職が選任されることがある
  • 柔軟な相続対策が難しい

そのため近年は、「成年後見になる前に準備する」という考え方が重要視されています。

 


家族信託とは?

家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族に託し、管理・運用を任せる仕組みです。

たとえば、

  • 父が委託者
  • 長男が受託者

となり、長男が財産管理を行います。

家族信託では、認知症後も受託者が継続して財産管理できる点が大きな特徴です。

 


家族信託の大きなメリット

1. 認知症後も柔軟に財産管理できる

成年後見制度では制限されやすい、

  • 不動産売却
  • 資産組換え
  • 賃貸経営

なども比較的柔軟に対応できます。

2. 相続対策と組み合わせやすい

信託契約で財産承継先を定められるため、

  • 二次相続対策
  • 障害を持つ子への配慮
  • 親亡き後対策

などにも活用されています。

3. 裁判所の関与が不要

成年後見制度のような継続的な家庭裁判所監督がありません。

 


家族信託だけでは解決できない問題

ここが非常に重要です。

家族信託をしても、「信託していない財産」は凍結リスクがあります。

たとえば、

  • 年金受取口座
  • 日常生活用口座
  • 信託していない預金
  • 一部証券口座

などです。

また、上場株式や投資信託には実務上の制約があります。

 


上場株式・投資信託を家族信託する際の注意点

金融商品を家族信託に入れる場合、次の問題があります。

主な注意点

  • 信託口証券口座に対応する証券会社が少ない
  • NISAが利用できない
  • 特定口座が使えない
  • 株式保有期間がリセットされる場合がある

そのため、金融資産対策では「家族信託だけ」でなく、他制度との組み合わせが重要になります。

 


代理人カードとは?

代理人カードとは、家族がATMで取引できるカードです。

比較的簡単に導入できる点が特徴です。

代理人カードのメリット

  • 手続きが簡単
  • 即日利用可能な場合もある
  • 費用が安い

デメリット

  • ATM取引しかできないことが多い
  • 定期解約不可
  • 投資信託売却不可
  • 認知症後は停止されることが多い

つまり、「簡易的な補助制度」と考えるべきです。

 


近年注目される「予約型代理人制度」とは

最近、金融機関で導入が進んでいるのが「予約型代理人制度」です。

これは、本人が元気なうちに代理人を登録し、将来認知症になった際に代理人が取引できる制度です。

 


予約型代理人制度のメリット

1. 成年後見より柔軟

成年後見制度より迅速に財産管理できる場合があります。

2. 権限範囲が広い

代理人カードより対応範囲が広く、

  • 預金解約
  • 投資信託売却
  • 各種届出変更

などに対応可能な金融機関もあります。

3. 比較的低コスト

家族信託や成年後見より費用負担を抑えられるケースがあります。


予約型代理人制度の注意点

一方で、次のような制限もあります。

  • 対応金融機関が限られる
  • 来店取引が必要
  • キャッシュカード利用制限
  • 不正利用リスク
  • 代理人の範囲制限

また、金融機関ごとにルールが大きく異なります。

 


認知症対策は「組み合わせ」が重要

実務上、多くのケースでは単独制度だけでは不十分です。

たとえば、

ケース1

不動産 → 家族信託
預金 → 予約型代理人制度

ケース2

自宅売却対策 → 家族信託
生活費管理 → 任意後見契約

ケース3

高齢夫婦のみ世帯 → 家族信託+死後事務委任

このように組み合わせることで、リスク分散が可能になります。

 


京都で増える認知症対策相談

  • 高齢の親の預金管理
  • 空き家問題
  • 相続対策
  • 認知症による資産凍結

に関する相談が急増しています。

特に、

  • 子どもが遠方に住んでいる
  • 相続人同士が疎遠
  • 不動産を複数所有
  • 賃貸物件がある

場合には、早期対策が重要です。

 


司法書士に相談するメリット

認知症対策では、

  • 法律
  • 相続
  • 金融実務
  • 不動産
  • 家族関係

を総合的に考える必要があります。

司法書士は、

  • 家族信託設計
  • 任意後見契約
  • 成年後見申立
  • 不動産登記
  • 遺言作成

などをワンストップで支援できます。


まとめ

認知症による口座凍結は、誰にでも起こり得る問題です。

そして重要なのは、「認知症になってからでは選択肢が限られる」という点です。

家族信託だけでなく、

  • 任意後見
  • 代理人カード
  • 予約型代理人制度

なども含め、家族構成や財産内容に応じた対策が必要になります。

特に不動産や金融資産をお持ちの方は、早めの準備が将来の大きな安心につながります。

京都で相続・認知症対策・家族信託についてお悩みの方は、司法書士へ早めに相談することをおすすめします。

 

 

京都信用金庫:予約型代理人

みずほ銀行:代理人予約サービス

大和証券:予約型代理人

 

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