「万が一のとき、家族が揉めないように遺言書を書いておきたい」
そう思い立ったとき、まず悩むのが「どの方法で書くか」ということです。
個人の遺言にはいくつか種類がありますが、実際によく使われるのは「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2つです。どちらにも一長一短があるため、それぞれの特徴と違いを分かりやすく比較解説します。
1. 公正証書遺言と自筆証書遺言の違い(比較表)
まずは、2つの遺言書の大まかな違いを一覧表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 公正証書遺言 | 自筆証書遺言 |
| 作成方法 | 公証人が作成(本人は署名のみ) | 原則、本人が全文を「手書き」する |
| 費用の目安 | 数万円~(財産額による公証人手数料) | ほぼ無料(法務局保管は一律3,900円) |
| 不備による無効 | ほぼゼロ(プロが作成するため確実) | 内容や書き方の不備で無効になるリスクあり |
| 紛失・隠匿リスク | なし(公証役場に原本が保管される) | あり(法務局の保管制度を使えば防げる) |
| 検認手続き | 不要(亡くなった後、すぐに手続き可能) | 必要(法務局保管の場合は不要) |
| 証人の必要性 | 必要(2名以上の立ち会いが必要) | 不要(1人で秘密裏に作成できる) |
💡「検認(けんにん)」とは?
残された自筆証書遺言を家庭裁判所に提出し、遺言書の存在や状態を確認する手続きです。検認が終わるまで遺言書を開封できず、数ヶ月の手間と時間がかかります。
2. 公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)
メリット
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プロが作るので形式的な不備が一切ない
法律の専門家である「公証人」が作成するため、書き損じなどで遺言が無効になる心配がありません。
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亡くなった後の手続きがスムーズ
家庭裁判所での「検認」が不要なため、相続が始まったらすぐに預貯金の解約や不動産の名義変更(相続登記)に進めます。
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紛失や改ざんの心配がない
原本が公証役場にガッチリ保管されるため、誰かに破棄されたり書き換えられたりするリスクがありません。
デメリット
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作成に費用(公証人手数料)がかかる
財産の額や相続人の数に応じて、国が定めた手数料を支払う必要があります。
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証人(2名)が必要
手続きに立ち会う証人が必要なため、遺言の内容を完全に秘密にすることはできません(※当事務所にお任せいただければ、守秘義務のある司法書士らが証人を務めます)。
3. 自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)
メリット
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費用がかからず、今すぐ書ける
紙とペンと印鑑さえあれば、費用をかけずにいつでも自宅で作成できます。
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誰にも知られずに作成できる
証人が不要なため、自分が亡くなるまで内容を完全に秘密にしておくことが可能です。
デメリット
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書き方のルールが厳しく、無効になるリスクがある
「日付が特定できない」「 joint signature(共同で1枚に書く)になっている」など、法律のルールを満たしていなくて無効になるケースが後を絶ちません。
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亡くなった後の家族の負担が大きい
原則として家庭裁判所の「検認」が必要になり、家族に時間と手間の負担をかけることになります。
★法務局の「自筆証書遺言書保管制度」について
2020年から始まった国の制度です。自筆で書いた遺言書を法務局に預けることで、「紛失・隠匿リスク」と「亡くなった後の検認手続き」を無くすことができます。ただし、「遺言書の中身(文言)が法律的に有効かどうか」まではチェックしてもらえないため注意が必要です。
4. 【結論】あなたはどちらを選ぶべき?
どちらを選ぶべきかは、ご自身の状況によって変わります。
公正証書遺言が向いている方
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親族間で揉める可能性が少しでもある方
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不動産や複数の銀行口座など、財産が多岐にわたる方
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確実に自分の思い通りの相続を実現させたい方
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残される家族に、できるだけ面倒な手続き(検認など)をさせたくない方
自筆証書遺言が向いている方
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財産や相続人がシンプルで、トラブルが起きる可能性が極めて低い方
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まずは費用をかけずに、お試しで自分の意思を形にしておきたい方
遺言書作成で一番大切なのは「中身」です
自筆・公正証書のどちらを選ぶにしても、本当に大切なのは「残された家族が困らない、法律的に筋の通った内容になっているか」です。
せっかく家族を思って書いた遺言書が、一言の表現の違いで無効になってしまったり、逆に家族の不仲の引き金になってしまっては意味がありません。
当事務所では、お客様の財産状況やご家族への思いを丁寧にヒアリングし、最適な遺言の方法や文面をご提案いたします。
「まずは話だけでも聞いてみたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

