「相続税がかからないから、相続対策は必要ないと思っている」
このように考えている方は少なくありません。
確かに、相続税には基礎控除があり、多くのご家庭では実際に相続税の申告・納税が不要です。
しかし、相続対策は“相続税対策”だけではありません。
実際には、
- 遺産分割でもめる
- 相続登記が進まない
- 空き家問題が発生する
- 認知症で手続きできなくなる
- 相続人同士が疎遠になる
- 不動産が共有状態になる
など、相続税とは別の問題で困るケースが非常に多くあります。
特に京都市内では、実家や土地を相続した後の管理・活用・名義変更で悩まれる方が増えています。
この記事では、「相続税がかからない家庭でも相続対策が必要な理由」について、司法書士の視点から詳しく解説します。
相続税がかからない家庭は多い
まず前提として、相続税が発生するケースは全国的に見ると一部です。
相続税には「基礎控除」があります。
基礎控除額は次の計算式です。
「3,000万円+600万円×法定相続人の数」
例えば、相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
までであれば、原則として相続税はかかりません。
そのため、
- 預貯金
- 自宅不動産
- 少額の金融資産
程度であれば、相続税の対象にならないケースは多くあります。
しかし、「相続税がかからない=相続対策が不要」という意味ではありません。
むしろ、相続税がかからない家庭でも深刻なトラブルになるケースは数多く存在します。
相続対策が必要な本当の理由
1.遺産分割でもめる可能性がある
相続で最も多いトラブルは、実は「遺産の金額が大きい家庭」だけではありません。
家庭裁判所の統計でも、比較的少額の遺産で争いになるケースは多数あります。
「財産が少ないから揉めないだろう」
という考えは非常に危険です。
なぜ少額でも争いになるのか?
理由としては、
- 感情的対立
- 介護負担の不公平感
- 生前贈与への不満
- 実家を誰が取得するか
- 同居していた相続人への不信感
などが挙げられます。
特に不動産しか財産がないケースでは、平等に分けにくいためトラブルになりやすくなります。
例えば、
- 長男が実家に居住
- 他の兄弟は現金を希望
- 不動産を売却したくない人がいる
という状況では、話し合いがまとまらないことがあります。
2.相続登記が義務化された
2024年4月から、相続登記が義務化されました。
不動産を相続した場合、相続を知った日から3年以内に相続登記をしなければならず、正当な理由なく放置すると過料の対象となる可能性があります。
放置するとどうなる?
相続登記を放置すると、
- 名義変更が困難になる
- 相続人が増える
- 不動産売却ができない
- 空き家問題になる
- 管理責任が曖昧になる
など、多くの問題が発生します。
特に京都では、
- 空き家
- 古家付き土地
- 相続した実家
の管理問題が増えています。
「とりあえずそのまま」にしていた結果、数十年後に相続人が10人以上になってしまうケースもあります。
3.不動産の共有は大きなリスク
相続対策をしないまま相続が発生すると、不動産が共有名義になることがあります。
しかし、不動産共有には大きなリスクがあります。
共有名義の問題点
例えば共有者の一人が、
- 売却に反対
- 音信不通
- 認知症
- 亡くなってさらに相続発生
すると、不動産の処分が極めて難しくなります。
共有者が増えるほど意思決定は困難になります。
京都市内の不動産でも、
「先祖代々共有のまま」
というケースは少なくありません。
その結果、
- 解体できない
- 売却できない
- 活用できない
- 固定資産税だけかかる
という状態になることがあります。
4.認知症になると生前対策が難しくなる
高齢化に伴い、認知症対策は非常に重要になっています。
認知症になると、
- 遺言作成
- 生前贈与
- 不動産売却
- 預貯金管理
などが難しくなる可能性があります。
判断能力が低下すると、法律行為ができなくなるためです。
成年後見制度が必要になることも
認知症が進行すると、成年後見制度を利用しなければならないケースがあります。
しかし成年後見制度では、
- 家庭裁判所の監督
- 財産処分の制限
- 継続的な費用負担
などが発生する場合があります。
そのため、
- 元気なうちの遺言作成
- 家族信託
- 任意後見契約
などの生前対策が重要になります。
5.空き家問題につながる
相続後、実家が空き家になるケースは非常に多くあります。
特に京都では、
- 古い住宅
- 再建築不可物件
- 長屋
- 郊外の空き家
などが問題化しています。
空き家放置のリスク
空き家を放置すると、
- 老朽化
- 近隣トラブル
- 防犯上の問題
- 固定資産税負担
- 特定空家指定
などのリスクがあります。
さらに、管理できないまま次の相続が発生すると、権利関係が複雑化していきます。
早い段階で、
- 誰が相続するか
- 売却するか
- 活用するか
を検討することが重要です。
6.家族関係を守るためにも相続対策は重要
相続問題は、お金だけの問題ではありません。
相続をきっかけに、
- 兄弟関係が悪化
- 親族間で絶縁
- 長年の不満が噴出
するケースもあります。
「争うほどの財産ではない」
と思っていても、感情的な対立が起こることは珍しくありません。
相続対策として有効な方法
遺言書の作成
もっとも基本的で重要な対策です。
遺言書があることで、
- 誰に何を相続させるか
- 不動産の承継先
- 預貯金の分配
を明確にできます。
特に不動産を所有している場合は、遺言書作成のメリットが大きくなります。
家族信託
認知症対策として注目されています。
財産管理を信頼できる家族に任せることで、
- 不動産管理
- 賃貸経営
- 売却対応
などを柔軟に行える可能性があります。
生前贈与
早めに財産承継を進める方法です。
ただし、
- 税務面
- 不動産取得税
- 登録免許税
など注意点もあるため、専門家への相談が重要です。
任意後見契約
将来の判断能力低下に備える制度です。
「将来誰に財産管理を任せるか」を事前に決めることができます。
司法書士に相談するメリット
相続対策では、
- 法律
- 不動産
- 登記
- 家族関係
などを総合的に考える必要があります。
司法書士は、
- 相続登記
- 遺言作成支援
- 成年後見
- 家族信託
- 生前対策
など、相続に関する幅広いサポートを行っています。
まとめ|「相続税がかからないから安心」とは限らない
相続対策は、単なる節税対策ではありません。
本当に重要なのは、
- 家族が揉めないこと
- 手続きで困らないこと
- 不動産を適切に承継すること
- 将来の管理リスクを減らすこと
です。
相続税が発生しない家庭でも、
- 遺言
- 相続登記
- 認知症対策
- 空き家対策
などは非常に重要になります。
「まだ元気だから大丈夫」
と思っているうちに準備しておくことが、将来の安心につながります。
京都で相続・遺言・生前対策のご相談は不動リーガルオフィスへ
当事務所では、
- 相続登記
- 遺言書作成支援
- 家族信託
- 成年後見
- 生前贈与
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など、相続に関するご相談を幅広く承っております。
「相続税はかからないけれど対策した方がいいのか知りたい」
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このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

